知床の旅 その2 おじいさん、知床五湖

網走駅から釧網(せんもう)本線で知床斜里駅まで40キロばかし、海岸線を走る。
下の地図で行くと知床半島の ココ印のところが目的地

話は飛んで 出発直前に認知症の人とのかかわり方を
プロの人から聞いていて、
彼らは神さま、一日一日を本当に新しい気持ちで過ごせるお手本
そんな話になるほど。。と納得することがあった。

認知症に限らず、お年寄りがそもそもそういう存在感だとおもっていたところ
駅前で現れたおばあさん(知床その1)に勧められて電車に乗り、
そして一両編成の電車に乗ったとたん
この電車のトイレはどこですか?
おしっこが近いんですと・・・
と聞いて自己紹介始めちゃうおじいさん。
列車の進行方向まで確認されたのはさすがに 
ここが初めてなので申し訳ないが動き出すまでは わからんよ。

おじいさんと おばあさんの登場がなんとなく
この土地の神さまだとしたらって想像して、
そんな遭遇も歓迎の一種のような気持ちになる。
新しい土地に入る時の洗礼。
パラパラっと降る雨とセットで。

オホーツク海沿いをこの路線はひたすら走る。
(やっぱり電車はよかった)
何キロにも渡ってテント、釣り人、釣り竿、 テント、釣り人、釣り竿
わんさわんさ。
後で確認したろことによりますと、これはマス釣りだそうです。

わーこんなところをうろつくだけでも楽しそう。
ワーキャー眺めていたら40分ほどで知床斜里駅

ここからバスに乗り換えてお昼にはウトロ温泉に着いてしまった。
予想外の速さっ
お昼は宿のご主人のススメで 海鮮は昼に食べよとのこと
それっぽいものをいただきました。

結局初日に時間がたっぷりあるので
期間限定でたくさん走ってるシャトル・バスで知床五湖を目指すことに。

気楽にちょっと歩けるのかな?と思ったら
クマ対策のレクチャーを受けて湖の周辺を歩くコースを選んでしまった。

山歩きって感じでもなく、観光寄りな人がわらわらと
クマも出るかもしれないコースに放たれる。

4,5人の大人の集団の中にいたのだけど、どう考えても足が速い
とにかく皆湖まで一直線の勢い。

お菓子や食べ物の匂いも出してはならぬ、
道を外れてはならぬ
音を出してなるべく存在感を伝えて
クマに遭遇しないように気をつけて
出会ったら走り出さない。。
どんな対策にも確実性はない

確かにびびる。
しかしこんなに途中の風景、眺める時間なくていいんだろうか

「アルケミスト」という少年の冒険の物語を思い出す。
あるシーンで幸福の秘密を教えてもらうために訪れた屋敷で賢者は少年にスプーンをもたせ、そこに注いだ油をたらさずに屋敷を散策するようにと言う。
屋敷の素晴らしさに夢中になって油をこぼしてもダメ、油をこぼさないようにして素晴らしいもの見ないのもダメと。
たしかそれが幸福の秘訣、そんなシーンがあったことを。

そう山の中でクマを追い払うことに夢中になって この景色を味わうことをおろそかにするのも違う。
ひたすらそんなことを自問自答してた。

だってこの歩いている道そのものが素敵なんだもん。
景色を見るのにも集中したいよう~

そしてこんな原生林を大正、昭和の時代に入植して失敗して離農していった人たちがいたとか。ハードな歴史を知る。

途中から木製の道が地上から約4mくらいの高さで歩けるようになっている。
このおかげでクマを恐れずに歩けるのだ。

完全にこっちがカゴの鳥であることに安堵を覚える。
なんと弱っちい存在。

一日の終わりにウトロの港にサプライズ花火

平貝とかジャガイモとか 美味しくておなかいっぱいたべちゃって
実は一番驚いたのは 飲食店で出てくるここの水道水を冷やしただけの旨さだった。

ああーお腹いっぱい胸いっぱいだよ

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