愛情表現って?

久しぶりの実家に帰った時にて買ったばかりで慣れないループディドゥーというおもちゃでミサンガを作っている最中、母にあれこれ尋ねられてついイラっとなった時、あれ?こんな感情をあらわにするなんて珍しいなと思ったのと同時に、自分でも母には気を遣う方だと思っていたはずなのに、それよりもそんな風にリアクションする自分、しても大丈夫という安心感、無意識で信頼していることに驚いていた。

先日友だちと彼らの小学生の子どもと出かけた時に、出先で私はここで帰るねと帰る予定時刻をはっきり子どもに話していなくて帰る段になって伝えてしまった結果その子が急に なんでーとごねて、しょんぼりを全身で表された時に、この子に好かれていたんだなって改めて知ることになった。

愛情表現って一体なんなんだろ?って振り返ると、自分の知っている範囲のこの国では愛してるよ~ハグーチューみたいなのはあまり主流ではない。(関係や時期によってはある場合もあるけど)じゃあ何と伝えあうんだろう。気づくとこんなネガティブな反応の中に感じとったり表現してしまってるではないかっ!?。

犬だったらシッポふれるのに・・・
贈り物、何か物質や時間 関心を与えるという行為、もしくは逆に受け取る、心配かけるというのもあるだろう。しかし距離が近い関係ほど、相手の投げかけてくるものの本質が見えなくなったり、自分の意図を見失う。そんな経験ゴロゴロかも。
ああ もっとポジティブな表現ってないもんだろうか。

そんな中、先日よしもとばななさんの最新作『サーカスナイト』を読み終えた。
ざっくり言うと主に不思議な家族、義理の両親、夫婦、元恋人、バリの素敵な人たちなどの中で繰り広げられる人間ドラマ。
人が人を想う気持ちは 受け取るにもしばしばすれ違う。
それが時間差で、あの時撒いていた種が今発芽しているように、愛されていたんだなって分る日が来たり、ある場所で傷ついたことが、別の場所や人の中でひょんなことで癒される、そんな流れが来る時もある。
黙ってたけど実は心底心配されていたことに気づく瞬間。
様々な思いややりとりが実は日常にたくさんちりばめられていたり、そんな日常をともにする中に生まれていく想い。
そのことにどこかでは気づいていたりする部分があるから、物語を読みながらこんなにも切なくなるのかもな。
なかなかこれが愛情表現だ~!って明確にならないんだけど関係性の中で熟していくもののようでもあるね。

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