2023年1月5日~29日湯河原 MUSEUM CAFE and gardenにて開催しましたmarumocci作品展「森のゆぶねより」A Yugawara Journey ご来場くださった皆様、期間中何かとお世話になりました皆様 ありがとうございました。
アルパカは足の届かないプールに落ちたら、じたばたすることなく 静かに溺れて死んでいく生きものです。
ここ数年の様々な騒ぎの不安な日々にやさしさや明るさをシェアしたり励ましたり助け合うことよりも、悲しみや怒り、正しさを振りかざしたりする方に自分は傾いていないだろうかと問うことがありました。
それならアルパカのようにバタバタ騒がず、水が浮かべてくれるならそのように、沈んで死を迎えるならまたそのように どうしようもないことにはアルパカのように生きられたらと心に思い描いていたものです。
また以前から仕事中に席を外したり、少し外の空気を吸いたいときに「放牧にいってきます」とあいさつする習慣があって(なぜかその挨拶が通じる人と奇跡的にお仕事できているもので)タバコでもトイレでもなく一回外の空気を吸って目の前の花壇を愛でるそれだけで疲れきった延長線じゃない別のモードになれる。
そんな感覚でちょくちょく一人で湯河原に放牧気分で来ていました。
山の方、川の方、海の方、あちらこちらと 人気のないところを探して。
二泊してみると心の中のアルパカががしっかり放牧されたのです。
それらを元にしたアルパカの湯手紙シリーズを展示していました。
湯河原の自然は整備された人里からほんのちょっと奥に進むだけで 山のモノノケの気配なエリアになるところがあちこちにあって、歩いていると出会う地元の方の中にも、あそこは神様がいるって感じのする森だよね~って方もいらしたりして、自然界への畏怖がここの人の中にも、普段都会ですっかり忘れている自分の中にもあるのだと思い出させてくれる空気なのです。今回の展示でもそんな空気を好んでいらっしゃる方にもお会いできて勝手に仲間💛仲間とかなり浮かれてしました。
自然への畏れを感じるような場にいても、今日の終わりにも命があって、湯にも入ってお腹いっぱいになったら疲れも取れて気持ちもやわらぐ。汚れたら洗えばどうにかなる雑巾みたいに、生きてる限り何かが起きて、疲れがたまって、癒せばどうにかなるかもを死ぬまで何度も繰り返していくんだろうってことに納得したり安心して帰ることができる。
そういうパワーをさんざんいただいた上に、さらに作品をその空気や雨に(布の作品は庭で雨に触れました)触れさせて旅立たせることが出来たのは嬉しかったことです。
ここで選んでくださった作品たちが 湯河原の心地よい空気や 誰かと過ごした楽しい時間をどこかでよみがえらせてくれてたらいいなと思ってます。