フライングお彼岸&展示準備中~

お祈りの作品を作るとき、お祈りの時間は欠かせない。
自分を越えた存在に今からいっちょやるんでよろしくって挨拶のつもりだけど
色々展示のタイミングに合わせるとかで慌ててたもんでちょっと必死なところがあったもんで、オタスケーって訴えてるみたいなニュアンスもあったから、ある日全然祈ってなかった日にそんなこと言っても言わなくても日々コンスタントに何かに護られていると考えたら、焦ってた自分と、急にどっちでもOKなことがありがたくて胸がいっぱいになる瞬間があった。

9月13日に棟方志功祭りにヤマザキマリさんのお話が聞ける
https://www.tabi-nanto.jp/archives/3776
そんな情報を小耳にはさんで富山県は南砺市を目指しました。
山をとーびー谷をこえー(忍者ハットリくんの歌が聞こえる気がするよ。古いよ。)

棟方志功さんが戦争中に疎開していた時代にここ福光で作品を作ったりしていたという縁のある地。

襖に描いた絵や文字の大きな作品も堪能していざヤマザキマリさんと 棟方志功さんのお孫さんで研究家の石井頼子 さんのお話。
志功さんの魅力を会ったことがある人とそうでない方の間で、まるでそこにいるかのようなワイワイ楽しいトークの中に志功さんの野性味と繊細さ人間としての魅力に触れることができて棟方志功の世界なんとも楽しい時間だった。

その中で クモが自分より大きな巣を作れるってすごいよね。志功さんの視力であんな大きな作品 引きでみれないのに、まるで虫のようだってたとえが出ていて、目からうろこというか、一体どうなってるんだろ??って疑問一杯、でも人間も虫のように能力発揮できるのか。ううむ・・・と考えながら帰ることに。
バスはここから2,3キロ先の道の駅に1時間後に来ると知り、ちょっとまいったなーと思いながらも珍しい芋虫の写真を撮っていた。

何してるの?そんなのうちの庭にいっぱいいるわよー って後ろから知らない人の声。
いやいや、東京でまだこんな色の見たことありましぇーんなんてやりとりしてたら、年上のマダムが駅まで車で送っていくわよーって言ってくださり、そしたらちょっと遠回りして、お祭りを見ていこうということに。

その日は二駅先の城端 (じょうはな ) のむぎや祭り だったので、 城端の町の中のお寺を中心にいたるところで舞が見られた。
祭りの屋台で見つけた餅。

狂喜乱舞して餅を買った。

そしてじゃあ 新幹線の駅のある高岡まで送ってあげるよって言ってくださり、その前に時間あるなら井波寄る?なんて・・・棟方祭りしか考えてこなかったので、全然土地のこと知らないけど、欄間を彫るので有名だから寄ってくださった。(全く初対面の知らない人の車になぜか乗るチャンスがたまにあるけど勧めてませんから)

木彫刻のまち 井波
http://toyama.visit-town.com/toyamastyle/inami-tyokoku

街のあちこちに木彫り木彫り
そしてここらでは木彫りの菅原道真公は男の子の御守になるそうな。
ガチガチお寺の町で、その信仰は一体なんなんだろう・・・もうそれがこの土地のスタイルなんだなあ。
マダムの大サービスにより一人で結構この町を歩かせてもらった。

時間的に遅く閉まってたけど高岡まで戻って瑞龍寺を訪ねた。
https://www.info-toyama.com/spot/21009/
看板が気になります。
前田利長の菩提寺 、予想の規模を上回ってしまった扉の隙間からのぞき込んでも結構なところでした。

更にこのお寺の反対にある 前田利長公墓所へ
https://www.info-toyama.com/spot/21118/
またここでも一人旅の年配のマダムに遭遇し、お墓のかなり手前で話し込んで3人で見に行きましょうという謎の旅になる。

ついでに高岡大仏も
そのついでに塩コブ屋さん、あ、ついでに鋳物の町
日が暮れても、まだまだー
あ、この道路はいとこが亡くなって・・・って
たった一日の午後の数時間でいろいろ見せていただいて、お身内のエピソードの濃いめの場所まで案内していただいて、これって人様のお家にあげてもらって、お仏壇に挨拶させてもらった時のような、初めて会う人のその人を大切に思ってくれてた人たちがいて、その人たちの大切にしている世界を見せてもらうってことだなあ。

この一週間後はお彼岸。どっぷりここでは浄土真宗のお寺に出会いまくって(自分の地元はどちらかというとそっち側のお寺がなじみがあるけど今暮らしてる東京のエリアはまた違う宗派の寺づくし)出会った人のあちらの世界の方のことを聞いたり、話したり、思い出し、江戸時代 加賀藩の祈り、 志功さんが生きた時代の祈り、それぞれの祈りの美術に触れられてお墓が存在しないけど確実にあちらの世界を感じたフリースタイルの彼岸旅でした。

10月6日-10月20日 [千樹カノン]展 CAFĒ SEIFU (中野富士見町)