下駄はいてこける

「下駄を履かせる」って本来の実力より
点を増してみせる 水増しのことを言いますが
つい最近のこと。

いつもは鍼に行ったりして
風邪とかアレルギーは 適当に付き合いながら
じんわり治してきたのに
薬飲んで症状って消えるんかなーと思って
飲んでみたら、あらビックリ
風邪も花粉症も症状があったことも忘れてしまうくらい
ピタッと止まったのでこれ幸い
元から元気だったんじゃん!?とばかりに
サカサカ用事を済ましまくり
最後にビールとか飲んだ瞬間に思い出した。。。
ああ、体は養生を求めていたよ 君、君って
つい下駄を履いていることなんて忘れて
思い切りこけました。

水増しといえば 何かを作って
人に褒められたり喜ばれることも
結構な下駄をいただくことになるとおもいます。
作り出したい結果の中に人が喜ぶがあったとしても
そこにだけ注視しているとあら大変
人がどっち向いているか
イイネって言われるか否かが命になったり
よほどタフな人間でもない限り
自分が描きたいものと人に認められるからやることの
どちらかなんて簡単に見失う
そんなもんじゃないかと思うんです。

最近イラストを描かれる方の絵を模写をして
SNSに投稿したり販売するという話をいくつか見聞きしました。
著作権に触れる法的な問題もありますし
何しろその作家さんがそれを幸せそうに語っていません。
シンプルな絵は 簡単に模写出来るように見えますが
いきなりその完成形ができたわけではありません。
相応の年月、エネルギーを費やして一枚、
一キャラクターがあります。
ミッフィーの変遷をご存知の方なら
あのミッフィーになるまで60年近いわけですよね。
そこまでのキャラクターを模写すると
たしかにミッフィーそのものが持っているものが
完全に下駄を履かせてくれて
SNSでは イイネになると思う。
でもそれは下駄です。
下駄といえば聞こえがいいけど
正直な気持ち麻薬に手を出しちゃったなあって私は思う。
もちろん模写は楽しいし
好きな作家さんの絵を模写するのはなお楽しい
でもそれを外に出して褒められる楽しさは
風邪っぴきが薬で症状収まって
外に出てビール飲んじゃうっていうのと似ている。
実力がないって自信のなさの上塗り
そこから風邪を治すのは、
これまた 薬飲む前より厄介じゃない??

薬飲んで大人しく寝たり、鍼して寝たり
体にやさしいもん食べて養生する。
絵も下手でもなんでも良いから
自分のオリジナルな絵を一枚でも描く
めんどくさいけど そういうのが一番早道なんだなあと。

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