テノリイノリへ その5 「キルト染め絵『いのり』が生まれる」


無事にオラクルカード原画展
「オラクルスナック天国と極楽~ときどき地獄」も終え
現実はそれらしい行事の四十九日とか百箇日がやってきて、
法要のと遺品整理の為に東京から山口へ帰省することが続きました。

ルートは九州から山口に入るパターンが多いのですが、
海峡を船で渡って着いた途端お天気雨に降られて
ここに暮らしてほとんど見たことなかった虹を見ることが続きました。
関門海峡にかかるとか、いや、どうなのよ。

父が最後に暮らした家の隣の空き地は
長いこと雑草程度しか生えなかったのに
帰ったタイミングで カラーの花が一輪だけ咲いて、
いつも通りに父が待っていてくれたみたい。
そんな自然の光景を目にして、
あの世は遠いところのように見えて
割と近くでサインを送ってくれたり
配慮してくれてるもんなんだって
一つ一つ実感していきました。

それに亡くなった直後から
故人は夢にも出て来放題だし。
もっと 他にも夢でもいいから会いたい人
いなかったっけ?
こんなに易々と会えるものか?と
少々拍子抜け。

そんな日々の中で
信仰の有無に関係なく一応ある家にある仏壇、
一応ある位牌、どうするよ問題勃発。
私はてっきりそのまま持つものかと思っていたけど
全て処分したい派もあり、それにも納得な部分もあり
そこまで深く考えていなかった自分はどうするのか?

そこで考えたのです。
自分なりに弔うと。

別に弔うって この形で弔わなければ
末代まで祟りとか。。。って話じゃないし、
根本的な自分にとって弔うとはなんぞや?という問いがスタート。

それには結局シンプルに向こうの世界に行ったばかりの
父の新たなる人生に頑張れよ!って
応援のエネルギーを送るしかないの。
こっちは大丈夫だから。
いや大丈夫じゃなくても
親子に生まれて物質的には一生返すことはできないけど
唯一出来ることはそういう応援くらい。
そして向こうからサインが来るんだから
頑張れよーってエネルギーのかけらくらい届くでしょ。

そういう時、ふと日光東照宮って徳川家康を祀ってるけど
身内にとっては 身内の生身の人間の家康の神社。
そういうものを自分なりに作ったりしてもいいんじゃない!?
昔の将軍並みの便利な暮らししてるんだし
自力で出来る範囲って何ができるかやってみよう。

それで四十九日過ぎて作り出したのが今の展示にも出している
染め絵とキルトのミックス作品
「いのり」でした。
もちろん祈ってキャッチしたイメージです。


「いのり」ポストカードは「テノリ・イノリ絵巻」展で販売しております。

テノリイノリはどこからきたの?ルーツを絵巻で辿る「テノリ・イノリ絵巻」展は3月31日まで

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《序章》再び祈り –テノリイノリの世界