スナックにまつわるえとせとら

スナックといえば昨年BSプレミアムで放送されたドラマで、スナックが舞台、主人公がスナックのママの「ママゴト」が良かった。
(BSの夜のドラマが油断できないドラマがあって、「プリンセスメゾン」もよかったなあ)
プリンセスメゾンは家を持つとは、一人で暮らすとはをジワジワほのぼの問い続け
「ママゴト」は母子とは?家族とは?そして家族で生きていくとは?を問うた、これまた油断してみると、もう観る前の私ではないようなドラマだった。

子どもを自分の過失で亡くした過去を持つスナックのママ映子を安藤サクラさんが演じ(何にでもなれてしまうスゴイ役者さん) 、子供が苦手な彼女のもとに無理矢理預けられた友人の5歳の子どもタイジくんと“ママゴト”のような生活の中で、時に親子のような関係にも近づき、家族の形を模索していくお話。
お決まりの三人の常連さんとちょっとオラオラ調の映子ママの関係も愉快で、鬼子母神に例えられたりと色んな側面が見えるのだけど、この中の人間の誰も完璧じゃないし、傷を抱えていない人はいない、それでも比べたり 正しい方を選びたがったり、揉めても許したり(映子が友達の無茶な行動や発言にも責めるでもなく許す姿がかっこよかった)、いろんな人間がもがく姿が胸を打つ。きっと誰もが大なり小なり取り返しのつかない心の傷を持っていて、トラウマに負ける日もあれば、とりあえず生きていればそれに向き合える日がくることもあるし(私個人的にはこの感覚を”どさくさで生きる”と呼んでるんだけど)、タイジという少年や、子供たちが大人の視点をガラッと変え希望を何度も見せているようだった。

また小説作品では、大好きな小説家の吉本ばななさんの著作に「スナックちどり」というのがありますが、ちどりがスナックを続けるにあたって コーンウォールでこんな発言をします。

「スナックは行き場をなくした人たちの最後のよりどころなんだよ」
「私たちがいなかったら 世の中もっと悪くなってる。だから私は自分の仕事割と気に入ってるんだ。」

こんなスナックの捉え方が大好きで、というか まさにそうだよって感じるし、癒しだとかなんだとかは 決して特殊な場所だけでなくて日々日常の中で、人が人と隣りあったりして、ほんの少しのクリエイティビティを自分のためや人のために使うだけでも小さなスナックをそこに起こすことは可能なんだと思う。

2017年1月30日~2月21日オラクルカード原画展「オラクルスナック天国と極楽~ときどき地獄~」
そこらへんの神さま絵とは?
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