再び祈り –テノリイノリの世界

主よ、私をあなたの平和の道具にしてください
憎しみある所に、愛を置かせてください
侮辱ある所に、赦しを置かせてください
分裂ある所に、和合を置かせてください
(聖フランチェスコの祈りより)

展示の片隅に展示したり、直接お問い合わせいただいて お譲りしておりました「テノリイノリ」のシリーズ作品。
「テノリ・イノリ」って何ですか?と聞かれることも多いのですが 短く言えば手のひらサイズのお祈りの形。

「テノリ・イノリ」は2017年初頭に自分に起きた出来事に自分なりに対応する方法の中に見つけた作品。宗教などに関係なく祈りを絵や形にしていく試みでした。オイルパステル画「そこらへんの神さま絵」のシリーズ同様に自己治癒的な側面や自分の悲しみにまつわる者のためという個人的な祈りでした。
しかし祈りにまつわる作品を展示に混ぜていくたびに思いがけなく全く初対面の方でも同じような心境、または共通点を持つ方に癒しが起きるのを目にしたり反響を聞いたりして、ちゃんと伝わったりお役に立つんだなということを1年間の展示やその他の交流を通じて知る機会に恵まれました。

様々な事情で生まれたものなので一言で説明しづらいなと思って とにかくテノリ・イノリの世界を一つの展示で表してみようと思いたった直後、近年気になる映画監督のうちの一人のクリント・イーストウッドの新作「15時17分、パリ行き」の町山智浩さんによるインタビュー記事から冒頭の祈りの言葉に偶然出会ってしまって。聖フランチェスコの祈りの言葉を 目で追うだけでも妙に力が湧いてきて仕方なくて。
じゃあやるなら私を超える存在からの世界にお力を借りて祈りを色や形にお届けしようじゃないかと。そして見に来て下さる方の内側にも確実にあるけど、いつもはぼんやりした愛とか平和、光などのフィーリングをわずかでもバリバリに感じたり思い出す機会に。そういうフィーリングのアンテナが1本しかたってなければ、4本は立ててにキャッチできるような時間に。それが今回の「テノリ・イノリ絵巻」展です。(名前がやっと決まった)
そういうわけでブログで少しずつですが、テノリ・イノリと祈りにまつわる製作のお話を展示に向けて綴っていきます。

3月19日-31日 「テノリ・イノリ絵巻」展
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